瀬織津姫神
日吉大社と瀬織津姫神(上)
日吉(ひえ)大社と瀬織津姫神
滋賀県大津市坂本の日吉大社は、日吉山王社、山王権現ともよばれ、全国の日吉・日枝神社の総本宮である。祭神は、比叡山の地主神、大山咋神(おおやまくいのかみ)と天智天皇の大津京遷都にともない、翌六六八年(天智七年)、大和の三輪山(大和神社)から勧請した大己貴神。平安京遷都後、都の表鬼門(東北)に位置することから、国家鎮護・方除け・魔除けの神として信仰され、天皇・上皇・藤原摂関家などの参詣も相次いだ。
一方、延暦寺の創立とともに、その鎮守神、天台宗の護法神となり、神仏習合を深めて「山王権現」と称され、延暦寺の発展とともに社運も隆盛に向かう。延暦寺の僧侶が朝廷に強訴(ごうそ)するときには、日吉社の神輿が担ぎだされ、その「神輿振」は名高い。一五七一年(元亀二)、織田信長の延暦寺焼き討ちにより建物・神輿のすべてを焼失するが、豊臣氏の援助で再建された。その後江戸幕府からも崇敬を受けた(『日吉大社』神社紀行)。
▼比叡山

最澄(七六七~八二二)は、近江国に生まれ、十五歳で近江の国分寺で得度し、十九歳で東大寺戒壇院において具足戒を受け、比叡山に入り、山林修行をし、天台教学を学んだ。延暦二十三年(八〇四)、空海とともに入唐し、天台のほか密・禅・戒を学んで翌年帰国、大同元年(八〇六)、天台宗を開いた(『社寺縁起伝説辞典』)。
宇佐神宮の歴史年表には、八〇四年に最澄・空海、渡唐安全を宇佐宮に祈る、八一四年、最澄、渡唐を願い、八幡大神、香春神に法華経を講じると記されている。
日吉大社は西本宮と東本宮に分かれている。
西本宮(大宮)大己貴神、宇佐宮(聖真子)田心姫、白山宮(客人)菊理姫尊
東本宮(二宮)大山咋神、樹下宮(十禅師)鴨玉依姫神、牛尾宮(八王子)大山咋神荒魂、三宮宮(三宮)鴨玉依姫神荒魂
▼日吉大社の神輿


『エミシの国の女神』菊池展明著には、日吉大社の神体山である牛尾山の頂きには、巨大な磐座」である「金大厳」(こがねのおおくら)に琵琶湖の水の民による太陽信仰がみられ、中居国重『日吉神の謎』によれば、牛尾山の頂きの「磐座」には「日吉神と后神」という一対の神がまつられて、それが「最初の日吉大社の姿」だったという。

西本宮の宇佐宮のご祭神は、田心姫と記されている。本社から分霊されると別の神名で祀られることがある。日吉大社の宇佐宮も東近江の宇佐神社に勧請されると祭神が湍津姫神に変わる。
▼日吉大社の宇佐宮

▼宇佐神社(滋賀県東近江市川南町1125)

▼境内の由緒案内板

日吉大社の宇佐宮案内板には、田心姫神(旧称聖真子)は、宇佐八幡宮の比売大神と同神とされ、当社では田心姫神のみがまつられていると記されている。一方、東近江の宇佐神社では、古くは比叡延暦寺領にして日吉山王七社の内、聖真子を勧請し奉り、一社を創建して聖真子権現と称え、産土神と篤く崇敬したとある。ご祭神は、湍津姫神である。
▼境内の三猿

「續々群書類従」は、次のように記している。
「第一 諸社一覧 宇佐宮 宇佐郡ニ在リ 祭神一座 湍津姫命」
滋賀県大津市坂本の日吉大社は、日吉山王社、山王権現ともよばれ、全国の日吉・日枝神社の総本宮である。祭神は、比叡山の地主神、大山咋神(おおやまくいのかみ)と天智天皇の大津京遷都にともない、翌六六八年(天智七年)、大和の三輪山(大和神社)から勧請した大己貴神。平安京遷都後、都の表鬼門(東北)に位置することから、国家鎮護・方除け・魔除けの神として信仰され、天皇・上皇・藤原摂関家などの参詣も相次いだ。
一方、延暦寺の創立とともに、その鎮守神、天台宗の護法神となり、神仏習合を深めて「山王権現」と称され、延暦寺の発展とともに社運も隆盛に向かう。延暦寺の僧侶が朝廷に強訴(ごうそ)するときには、日吉社の神輿が担ぎだされ、その「神輿振」は名高い。一五七一年(元亀二)、織田信長の延暦寺焼き討ちにより建物・神輿のすべてを焼失するが、豊臣氏の援助で再建された。その後江戸幕府からも崇敬を受けた(『日吉大社』神社紀行)。
▼比叡山

最澄(七六七~八二二)は、近江国に生まれ、十五歳で近江の国分寺で得度し、十九歳で東大寺戒壇院において具足戒を受け、比叡山に入り、山林修行をし、天台教学を学んだ。延暦二十三年(八〇四)、空海とともに入唐し、天台のほか密・禅・戒を学んで翌年帰国、大同元年(八〇六)、天台宗を開いた(『社寺縁起伝説辞典』)。
宇佐神宮の歴史年表には、八〇四年に最澄・空海、渡唐安全を宇佐宮に祈る、八一四年、最澄、渡唐を願い、八幡大神、香春神に法華経を講じると記されている。
日吉大社は西本宮と東本宮に分かれている。
西本宮(大宮)大己貴神、宇佐宮(聖真子)田心姫、白山宮(客人)菊理姫尊
東本宮(二宮)大山咋神、樹下宮(十禅師)鴨玉依姫神、牛尾宮(八王子)大山咋神荒魂、三宮宮(三宮)鴨玉依姫神荒魂
▼日吉大社の神輿


『エミシの国の女神』菊池展明著には、日吉大社の神体山である牛尾山の頂きには、巨大な磐座」である「金大厳」(こがねのおおくら)に琵琶湖の水の民による太陽信仰がみられ、中居国重『日吉神の謎』によれば、牛尾山の頂きの「磐座」には「日吉神と后神」という一対の神がまつられて、それが「最初の日吉大社の姿」だったという。

西本宮の宇佐宮のご祭神は、田心姫と記されている。本社から分霊されると別の神名で祀られることがある。日吉大社の宇佐宮も東近江の宇佐神社に勧請されると祭神が湍津姫神に変わる。
▼日吉大社の宇佐宮

▼宇佐神社(滋賀県東近江市川南町1125)

▼境内の由緒案内板

日吉大社の宇佐宮案内板には、田心姫神(旧称聖真子)は、宇佐八幡宮の比売大神と同神とされ、当社では田心姫神のみがまつられていると記されている。一方、東近江の宇佐神社では、古くは比叡延暦寺領にして日吉山王七社の内、聖真子を勧請し奉り、一社を創建して聖真子権現と称え、産土神と篤く崇敬したとある。ご祭神は、湍津姫神である。
▼境内の三猿

「續々群書類従」は、次のように記している。
「第一 諸社一覧 宇佐宮 宇佐郡ニ在リ 祭神一座 湍津姫命」
- 関連記事
もくじ
ご挨拶

もくじ
古代八幡信仰

もくじ
放生会

もくじ
六郷満山について

もくじ
瀬織津姫神

もくじ
未分類

もくじ
観光情報

もくじ
大分の温泉

もくじ
文化財

もくじ
古社

もくじ
古寺

もくじ
祭

もくじ
滝

もくじ
大分の民話

もくじ
遺跡

もくじ
古蹟めぐり

もくじ
おすすめ日帰り温泉

もくじ
ひとりごと

もくじ
山伝承

もくじ
妙見

もくじ
河童伝承

もくじ
気になる樹木

もくじ
第1番 大折山報恩寺

もくじ
第2番 蓮華山富貴寺

もくじ
第3番 日野山岩脇寺

もくじ
第4番 馬城山伝乗寺

もくじ
第5番 今熊野山胎蔵寺

もくじ
第6番 良薬山智恩寺

もくじ
第7番 最勝山妙覚寺

もくじ
第8番 金剛山長安寺

もくじ
第9番 長岩屋山天念寺

もくじ
第10番 威王山無動寺

もくじ
第11番 大岩屋山応暦寺

もくじ
第12番 唐溪山弥勒寺

もくじ
第13番 足曳山両子寺

もくじ
第14番 杉山瑠璃光寺

もくじ
第15番 興国山護聖寺

もくじ
第16番 医王山丸小野寺

もくじ
第17番 金剛山報恩寺

もくじ
第18番 小城山宝命寺

もくじ
第19番 吉水山福昌寺

もくじ
第20番 吉婆曽山霊仙寺

もくじ
第21番 夷山実相院

もくじ
第22番 西方山清浄光寺

もくじ
第23番 補陀落山千燈寺

もくじ
第24番 野田山平等寺

もくじ
第25番 峨眉山文殊仙寺

もくじ
第26番 石立山岩戸寺

もくじ
第27番 久保山長慶寺

もくじ
第28番 治地山大聖寺

もくじ
第29番 龍下山成仏寺

もくじ
第30番 大嶽山神宮寺

もくじ
第31番 参社山行入寺

もくじ
第32番 妙徳山泉福寺

もくじ
第33番 赤松山願成就寺

もくじ
韓国

もくじ
田舎暮らし

もくじ
鹿児島

もくじ
古墳

もくじ
日出町

もくじ
お勧め:工房

もくじ
ニギハヤヒ

もくじ
遠野より

もくじ
円空

もくじ
風琳堂

もくじ
託宣する神

もくじ
本の話

もくじ
神話・伝承

もくじ
壁画古墳

もくじ
対馬

もくじ
沖縄

もくじ
出雲の神

もくじ
八十禍津日神

もくじ
出雲の国の女神

もくじ
鬼伝承

~ Trackback ~
卜ラックバックURL
⇒
⇒この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
~ Comment ~