瀬織津姫神

流浪する女神

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京都府の名越神社のご紹介です。

京都府京丹後市網野町公庄竹クラベ100

祭神 瀬織津比女神(せおりつひめのかみ)

「網野町誌」下巻より

「郷村誌稿」には次のような説話が記されている。

当社殿内に古い幡(旗)一流が祀ってある。また一つの巻物があって久岡良左エ門がこれを蔵しているが、それには次のような話が書かれている。

寛政六年(1794)8月14日、この村の久岡新エ門の元祖の僧了雲の兄芳造が幼いころ、字北谷へ行ったとき、椎の木末(こずえ)にあやしい物が見えたので、これを竹の棒で振り落としてよく見ると、(その布には)菊桐の紋章があってその傍に『名越大明神』と染付がある「御幡」であった。幼子は何心もなくそれを鎌で切り裂こうとしたところへ同村重助の妻が来て、これを押し留め、すぐに御幡を久岡宅へ持ち帰った。橋木村の明徳締定律師を招いて事の次第を話したところ、希代の奇瑞と仰せられたので近村から参拝に人々が群集した。不思議なことに三日経ってから了倶【ママ】に夢の御告があった。それは「わたしは難風に吹き流れて海の浅瀬に留まったが、天の指図(さしず)によって計らずもここへ来たのである。我を信心するものたちの疫(やまい)の難を救い取ろう」という御誓言であった。そこで直ちに社を建てたのが名越神社の由来である。今でも一村中無病であるのは偏に明神の御加護であろうか、末世に至るまで疑ってはならないことである。―と。(原文を読みやすくあらためた)
注 名越考
六月祓(みなづきばらえ)は名越祓・夏越祓(なごしのはらえ)とも称した。ナゴシには「邪神をはらひなごむる」という悪霊の鎮撫を意味する場合と、夏と秋の交代の折り目にあたって行う夏越しの意味がある。(『日本民族文化大系4神と仏』)宮田登 小学館


大祓の神として滋賀県の佐久奈度神社に瀬織津姫神一柱が祀られたのが、天智天皇八年のことです。全国の祓戸神社のご神名に記されている瀬織津姫神は、名越神社では流浪する幡の女神であったようで北谷の椎の木末で幼子によって発見されます。村人が大切に祀ると「我を信心するものたちの疫(やまい)の難を救い取ろう」と託宣します。それから村は疫病の難からのがれた様です。
瀬織津姫神は、異称祭祀として八十枉日神という神名で祀られることもありますが、この禍津日神を本居宣長は悪の根元神であり、これを直すのが直日神であるとし、平田篤胤は悪を糺す神であり、祓いによって価値を生じる善神だと説く解釈説があります。

この名越神社では病の難を取り除こうと託宣した瀬織津姫という神は村人にとってとてもありがたい女神様だったという説話でした。 幡に寄り付く神のお話は、『八幡比咩神とは何か』菊池展明著(風琳堂)に書かれています。


 名越神社の説話  原文は大正四年の『丹後國竹野郡誌』参照
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